鍼灸学生さん集まれ!【東洋医学】がこれであなたも分かる!第25回『五味』の役割について

東洋医学講座

今回は五味についてお伝えしていきます。

東洋医学では、食べ物の味を5つに分けており、これを「五味」と呼びます。

五味は「五臓」と密接に関係があり、身体のある部分が疲れていると、五味のいずれかを欲しがるようになります。

では五味にはどんなモノがあるの?

食べ過ぎるとどんな症状が現れるの?

これらについて詳しく解説していきたいと思います。

五味は五臓と関わる「5つの味」のこと

五味には、酸(さん)・苦(く)・甘(かん)・辛(しん)・鹹(かん)があり、それぞれ臓器と深い関わりがあります。

酸は肝、苦は心、甘は脾、辛は肺、鹹は腎と対応しています。

例えば、勉強で疲れている時に「甘い物」が食べたくなりませんか?🍪

これは五臓の「脾」の調子が悪くなっているから、甘い味を好んでしまうのです。

甘い物を食べた結果、脾の調子が整い、疲れを和らげることが出来ます。

五味は同じ属性の五臓を補う働きがあるため、身体のある部分が疲れていると、五味のいずれかを欲しがるようになります。

しかし過食すると、逆に五臓を弱らせてしまい、身体の不調が現れやすくなるので、注意が必要です。

では五味について一つずつ解説していきます。

Ryoji
Ryoji

五味のうちどれかを欲しがるようになったら、その部分の臓器を補う食べものを摂るように、心掛けてみてください!

酸「酸っぱい味」

まず酸は「酸味(さんみ)」を表わしており、酸っぱい味です。

酸味の働きとしては、対応する「肝」の働きを調整する効果があります。

また筋肉や内臓を引き締める働きや、汗・尿・血などを排出しないようにし、下痢や発汗を抑える作用もあります。

さらに酸味を摂ると、イライラや怒りっぽい、ストレスなどを落ち着かせることも出来ます。

食べ物には、梅干し・みかん・レモン・トマトなどが挙げられます。

苦「苦い味」

次に苦は「苦味(にがみ)」を表わしており、苦い味です。

苦味の働きとしては、対応する「心」の働きを調整する効果があります。

また興奮した精神状態を鎮め、熱を冷ます働きや、

排泄・利尿作用により、便秘やむくみなどの症状を和らげてくれます。

食べ物には、ピーマンやゴーヤ、緑茶などが挙げられます。

甘「甘い味」

次に甘は「甘味(あまみ)」を表わしており、甘い味です。

甘味の働きとしては、対応する「脾」の働きを調整する効果があります。

また筋肉の緊張を緩めて痛みを和らげたり、滋養強壮作用によって消火器官の働きも良くしたりします。

食べ物には、鶏肉や人参、ハチミツなどが挙げられます。

辛「辛い味」

次に辛は「辛味(からみ)」を表わしており、辛い味です。

辛味の働きとしては、対応する「肺」の働きを調整する効果があります。

また停滞した気と血の巡りを良くする作用があります。

さらに風邪の初期症状(咳、くしゃみ、鼻水)にも効果が期待できます。

食べ物には、ショウが、唐辛子、ネギなどが挙げられます。

鹹「塩からい味」

最後に鹹は「鹹味(かんみ)」を表わしており、塩からい味です。

鹹味の働きとしては、対応する「腎」の働きを調整する効果があります。

また泌尿器や生殖器の働きを良くする作用もあります。

さらに新陳代謝を高め、硬い物を柔らかくし、排便をスムーズにします。

食べ物には、アサリ、牡蠣、ワカメなどが挙げられます。

それぞれの食材を過剰に摂るとどうなるの?

しかし必要以上に摂取すると、逆に五臓を弱らせてしまいます。

● 酸味の過食→ 脾と胃の調子を悪くする

● 苦味の過食 → 肺と大腸に不調が現れ、体毛が抜けやすくなる

● 甘味の過食 → 腎と膀胱に不調が現れ、体のだるさや骨が弱くなる

● 辛味の過食 → 肝と胆の不調が現れ、筋肉の緊張や爪が弱くなる

● 鹹味の過食 → 心と小腸の不調が現れ、血の巡りが悪くなり、高血圧になる

まとめ

今回は東洋医学と五味についてお伝えしました。

東洋医学では食べ物を5つの味に分けており、これを「五味」と呼びます。

五味には、酸・苦・甘・辛・鹹があり、それぞれ臓器と深い関わりがあります。

酸は肝、苦は心、甘は脾、辛は肺、鹹は腎と対応しています。

身体のある部分が疲れていると、五味のいずれかを欲しがるようになります。しかし必要以上に摂取すると、逆に五臓を弱らせてしまうのです。

最後に

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